「アドリブ」という言葉は、演劇や音楽の世界でよく使われる用語ですが、実は日常生活でも耳にしたり、使うことがありますよね。

簡単に言うと、「その場で即興で行うこと」を指します。

例えば、舞台であらかじめ決められていないセリフをその場で思いついて発することや、予定していなかった動きをすることが「アドリブ」にあたります。
音楽の世界でも、楽譜に書かれていないフレーズを即興で演奏することを「アドリブ」と呼びます。

この言葉の由来はラテン語の「アドリビトゥム(ad libitum)」で、「好きなように」「自由に」といった意味があります。

この言葉が英語に取り入れられ「ad lib」となり、「即興」を意味する表現として広まっていきました。
日本語に取り入れられた「アドリブ」も、この英語からきており、いわゆる「和製英語」ではありません。
つまり、世界中で同じ意味で使われている言葉なのです。

舞台の上では、アドリブが必要になる場面が時々あります。
例えば、共演者がセリフを間違えたり、何かの手違いで次に進むきっかけが失われたとき、観客にそれが気づかれないようにするため、役者がその場で考えたセリフや動きで流れを保つことがあります。
このようなアドリブは、舞台をスムーズに進行させるための重要なスキルです。

しかし、アドリブは簡単ではありません。
失敗すると、作品全体の雰囲気やストーリーを壊してしまうことにもなりかねないからです。

そのため、アドリブを成功させるには、台本を深く理解しておくことが必要です。
また、共演者や舞台全体の状況を的確に把握する力や、瞬間的な判断力も求められます。
さらには、役者自身の人間性や表現力も大きく影響します。

こうしたことから、「アドリブが上手い役者ほど、経験や努力、幅広い教養を積んでいる」と言われることもあります。

もちろん、台本どおりに演じることが何より大切ですが、もしもの時に備えて日々の準備と努力を怠らないことが優れた役者への道なのです。



【参考文献:シアターリーグ様】
http://www.moon-light.ne.jp/termi-nology/meaning/ad-lib.htm